INTERVIEW&COLUMN

2017.08.01

///考えた/// 老後のこと

数多くの賞を受賞した『グッド・ストライプス』の監督を務めた映画監督・岨手由貴子さんの連載コラムが始まりました。
多拠点生活が難しいと言われる映画業界で、金沢に移住した岨手さんのお仕事と移住にまつわる悲喜交々から映画の仕事の「今」が見えてきます。

岨手由貴子(そで ゆきこ)

1983年長野県生まれ。
大学在学中に製作した短編『コスプレイヤー』が水戸短編映像祭、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)に入選。
08年、長編『マイムマイム』がPFFで準グランプリ、エンタテインメント賞を受賞。
09年文化庁の若手映画作家育成プロジェクトndjcで35mmフィルムで『アンダーウェア・アフェア』を製作。
12年、オムニバス映画『BUNGO〜ささやかな欲望』内の『乳房』の脚本を担当。
15年、長編商業デビュー作『グッド・ストライプス』が公開。本作で第7回TAMA映画賞 最優秀新進監督賞、2015年新藤兼人賞 金賞を受賞。
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一説によると、老後に最低限必要な資金は1500万だとか。いつまでも目黒区なんかに住んでいられないわけで…。

私は商業デビュー作である『グッド・ストライプス』の撮影を終えてすぐに妊娠し、映画が公開される前に出産しました。
当時はよく「これからって時に勇気あるね〜」なんて言われましたが、勇気っていうか、子供を先送りにして万全の態勢でチャンスを待ったところで、映画を撮れる保証なんてない。

むしろ、承服しかねる事情でスケジュールが変わることもザラで、精神的にも経済的にも追い詰められることは多々あります。
たぶん会社員の方も同じだけど、タイミングなんてこちらが作らないと永遠に来ないのです…。

産んでから何とかする。または、プロデューサーに「来週、初稿をお見せできます」とメールしてから、まだ一文字も書いていない脚本を謎の集中力で書き上げる(これは私がよくやる執筆方法です)。
そんな“やっちゃってから何とかする”シリーズ。
そこに“移住”というミッションが加わるタイミングでこの連載が始まるので、遠方に住みながら映画業界でどう生きていくのか?を実践形式で綴らせていただこうと思います。

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