WORKSHOP

2017.10.08

株式会社グラフィティ マネージャー市井洋さんインタビュー

——担当している俳優さんに対して心がけていることはありますか?

あまりプライベートには立ち入らないことと、決まった案件以外は伝えないことです。

もちろん一年先、三年先のシミュレーションはしますが、プロモーションしていること逐一報告していると、それが全部決まると思われてしまい、決まらなかった時に信頼関係が崩れてしまうので、ほぼ着地が見えた案件しか言わないようにしていますね。

——お芝居を学ぶという点では何かサポートのようなことはしていますか?

事務所の中で演技レッスンやモデル志望の子には、ウォーキングだったりそういったレッスンは無料で提供しています。

——俳優のマネジメントをしていて心に残るエピソードはありますか?

菅谷ですけど、「テラスハウス」が終わったとき、一つの大きな看板がなくなるのでどうスイッチしていくか非常に悩みましたし、とにかく役を一つでも多く取るというところがポイントでした。
あの時は本当に「テラスハウスのてっちゃん」から「俳優の菅谷哲也」にどうシフトさせていくか一番課題で。
とにかくいい役、良い作品に出演させたいと思い動いている時に、ちょうどdTVの『テラフォーマーズ』に出させていただいたので、それが本人自身も俳優として強い意志を持つきっかけになった作品だったと思います。

みんな俳優になりたい、タレントになりたいという強い意志がない状態でスカウトし、原宿の街角でビジュアルの良い写真を撮るというところからスタートするので、ある意味難しい部分でもあるかもしれないですね。
だから、自分たちは第三者的な立場ではありますが、本人たちに様々な可能性を伝えていって、その気持ちが芽生え始めたら、仕事という形に移し、できれば一年以内にはセールスをかけていくという形です。

——マネージャーの仕事をしていて嬉しかった瞬間などありますか?

やっぱり大きい作品が決まった時ですね。
『テラフォーマーズ』もそうですけど、小川が主演をした『イノセント15』の作品に関しては、本当に所属してすぐでしたけど、決まったりというところで、本人の手応えを感じられるきっかけになりました。
そこからどう繋げていくのかというプレッシャーはありますが、スタート地点に立てたというのは非常に嬉しかったこととしてありますね。
そういうときには、菅谷なんかは焼肉に連れて行ったりしますね。
そして、これからどうしていくかの共通認識をしっかりお互い確かめ合います。
そこがズレていると元も子もないので。
小川とは逆にあまりないかもしれないですね。焼肉にいくなどは。
この子は自分の人生設計をしっかりイメージできていて、いい意味で独立している子なので、そこをしっかりサポートという感じです。
仕事という認識が強いので。一番責任感のある子かもしれません。

——どんな俳優や女優をマネジメントしたいと思いますか?

自分に理想形というものはあんまりないんですけど、出会ったときにこうやったら売れるんじゃないかと思える子が良いと思います。
だいたい初対面で出会ったときにこの子ならこうやればいけるんじゃないかというイメージができます。
なので、それを実践していく形ですよね。
僕が人選していく基本はそこしかないですね。
この人を育てたいっていう明確なイメージはないんですけど、キャラクターがあって、それに対する自分のイメージもあって、それに対して相手が応えてくれるかどうかというところしかないですね。

——これから俳優や女優を目指す方へアドバイスがあればお願いします。

とにかく見聞は広げてほしいですね。
あと、文章を書くことをしてほしいなって最近ほんとに思いますね。
やはり喋っていても言葉数が少ない子というか、自分の言いたいことを伝えれていない子が多いなというのはよく思います。
色々文章や、自分の見聞きしたことを書き留めておいたりすることで、文章力を上げることにも繋がりますし、人に伝えるコミュニケーション力は大事だと思います。
最近では、その能力が低い人が多く、心配しているといっても過言ではないです。
スマホを使うことが多いので、手紙を書く機会とかもないと思いますし、オーディションの時に直筆で書く欄があって、文章を書いていても、何を言いたいのかが全然わからなくて。
そうやって人に伝えるという部分は俳優も同じだと思うので、ちゃんと伝えるという意識を持ってもらいたいです。

あとは挨拶で始まって、挨拶で終わるというところが基本ですよね。
挨拶して入ってこないやつはもう一度やり直しですね(笑)
どこの現場に行っても大事なことです。
ですから、挨拶をしないということに対して悪気がなく、それが当たり前になっていることに問題があると思います。
本来はお節介な言い方になるかもしれないですけど、家庭で習うべきことですし、現場でもしっかりと挨拶をする役者はいるわけで、マネジメント事務所側のスタンスが伝わりますから、そこは自社でも徹底してやっていきたいという思いはありますね。

みんな俳優やタレントになろうという意思のない段階でスカウトして、ビジュアル的に良いと思った人にアポイントを取って、「実はこういう部署があって、俳優としての可能性を感じるのだけど、どうだろう。」というところがスタートになって、どうしても引っ張りたいと思った人には、毎週連絡は送ったりはします。
常に気にかけはしますね。

——そこまでさせる人ってすごいですね。

全然いますよ。
吉田知央は最初全然興味がなかったんですけど、目力が魅力的で、高校卒業して、本格的に俳優業していこうというところで、今では大学でも演劇科を専攻したりしていて、役者として食っていきたいという強い意志にようやくなってくれました。

北澤優駿は昔でいうと言うと柳沢慎吾さんじゃないですけど、何人かいる中で、キャラクターが濃い子って必ず必要です。また役者としての勘なんかも鋭いです。
とにかく数を多くは集めようとは思わないんですけど、マネジメントとしては、10割バッターを目指したいくらいです。
だから、所属している子はしっかりと仕事があって、それで生計が立てられるという形をとりたいですね。
最近、もう一人マネージャーも入ってくれて、基本的に二人で全員ちゃんと目の届く範囲でやっていくというのが理想ではありますね。
たくさん抱えるというよりかは、10人でもみんながちゃんと活動している環境を作りたいと思います。

——俳優さんやタレントさんにとってはベストなことかもしれないですね。事務所には所属していても、仕事がないといったことはありますもんね。

それこそ自社の少数精鋭の利点というのがたくさんありまして、いっぱい分かれているよりかは、今のタイミングはこの子を売るけれど、次にこの子をどう売っていくかという点で、その繋がりの中で新しいタレントにつながっていったりするので、基本的にマネージャーがそれぞれの特性をちゃんと理解する。
例えば、プロデューサーの方にもプロフィールをお渡しするだけではなくて、「この子の特徴はこうです。こーゆーところがセールスポイントです」としっかり伝えることであったりとか、逆にお話いただいた時などに、合わないなと思えば、正直に言います。
なるべくその子自身の個性を活かせる仕事であるかどうかというジャッジをきちんとしてやらないといけないなと思いますね。

株式会社グラフィティ 所属タレント様紹介

菅谷哲也

■ドラマ:CX 10月期 「ラブラブエイリアン2」 石川和志役 レギュラー
■映画:「不能犯」 2018年2月公開
■CM:
日本マクドナルド 「クラブハウスバーガー」 2017年10月11日よりON AIR.
三井住友海上 企業広告 「誕生日篇」
ニベア花王 「ニベアボディウォッシュW濃厚保湿改良篇」 ナレーション
公式Twitter:@sugayatetsuya
公式Instagram: tetsuyasugaya

小川紗良

■映画:
監督・脚本・主演作品「BEATOPIA」 公開中。
脚本・監督最新作「最後の星」 2017年秋公開
公式Twitter:@grfft_ogawasara

北澤優駿

ドラマ:NTV 10月期「先に生まれただけの僕」 レギュラー
公式Twitter:@kitazawayuma11

吉田知央

ドラマ:NTV 10月期「先に生まれただけの僕」 レギュラー
公式Twitter:@grfft_chihiro
公式Instagram:grfft_chihiro

株式会社グラフィティ
HP:http://grfft.com/

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対象者は月額会員でミラーライアー内での募集オーディション、WORKSHOPなどで高い評価をされた方々となります。

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