このシリーズでは映画にまつわるお仕事を紹介していきます。 今回は、映画・ドラマ・CMとマルチに活躍する小宮山さんにカメラマンからみた”役者”についてお話を伺いました。

小宮山充(こみやま みつる)

1992年東北新社入社後、2003年同社カメラマンになる。
CM撮影をベースに映画、ドラマ、スチール等も精力的に活動中。
特に映画撮影では、05〜17年に上映した、邦画メジャー青春恋愛映画の10%を担当。
恋愛映画特化型カメラマン。
最近の代表作
「四月は君の嘘」
「君と100回目の恋」
「ひるなかの流星」
来年には「坂道のアポロン」(三木孝浩監督作品)が公開予定。

【カメラマンとは。映画とCMの違い。】

——なぜカメラマンになろうと思ったのですか?

子供の頃から映画の仕事に就きたいと思っていました。
はじめは監督という立場の人間になりたかったので、どうすればいいかわからなかったまま、取り敢えず東京に出て来ました。
そして、専門学校に入ってみたら・・・やっぱりクラス全員監督になりたいんですよね(笑)
売れたい役者さんも皆東京に出てくるじゃないですか。
授業の中で4チームくらいに分かれて作品を作る時、みんな監督がやりたかったんですけど、当然カメラマンがいないと撮れないわけで。
僕は中学の頃から親が8ミリカメラを持っていたので、自分で撮って繋いだりとかをやってたから、「俺カメラ使えるからカメラやる!」と手を上げてしまったのがきっかけですね。

——映画とCMは撮り方も全然違うんですか?

全然違いますね。
まず何が違うかというと、CMって絵コンテが描かれていて、全部、画があるんですね。
スポンサーさんには絵コンテでこういうCMを撮りますということを説明して許可をもらうので、これと違った絵を撮るのは難しいんですね。
監督が書いてくれた絵コンテに近しい画を撮るのがCMなんですけど、映画は基本的には文字台本なので、監督がセリフに線を引いて、やりたい事を簡略化した語で書いた台本(割本)を見て、カメラマンが決めるんです。
もちろん監督からキービジュアルは言われますが私が担当する展開の早い恋愛映画ですと、カット数が約1200カット有りますから、基本、台本を読んで自分の頭の中で考えます。(光の方向を見て、背景をどちらにするかとか、役者さんを撮る時のサイズ感など。)
割本は前日にくださる監督さんもいますし、現場で役者さんの動きを見て決める人もいます。
書きはするけど、役者さんの動きを見て直すという方もいて、いろいろなスタイルがあります。
なので、スタイルによって変わります。

【役者さんとの関わり方】

——ありがとうございます。それでは次の質問に移らせていただきますね。現場での役者さんのカメラマンや撮影部の方への関わり方、今まで撮影されてきた中での役者さんとのエピソードお聞かせいただければと思います。

そうですね。まず映画というカテゴリでを考えると、僕がやらせていただいてた恋愛映画の撮影期間はだいたい45日くらいなんですよね。
この前撮った「坂道のアポロン」は約50日。昨年の「君と100回目の恋」は30日で撮ってます。
なので、平均して40日前後ですね。

そうなると僕は役者さんと毎日会うので、どういうコンタクトを取ればいいのかということはすごい考えます。
役者さんもまず、演出的な部門を任されてる監督と話しますよね。
プロデューサーはその上で見てる立場であるし。
なので、カメラマンの立場としては現場にいても演出論に関してあまり口を出さないようにしています。
なので、僕はそれをどうキレイにまとめていくかということが仕事だと思っています。
カットと言われた後、役者さんたちは自分たちの演技がいいかどうかがわからないので、最初に映像を見るカメラマンである僕の方を見るんですね。
だから、僕の中でいい演技をしてたと思った時は手や目で合図をします。
あと、演技中に役者さんたちの立ち位置によっては顔がよく見えなくなってしまって、おそらく監督も取り直しにするだろうなと思った時は、「今顔がよく見えなかったから、立ち位置はこうしよう」ということを先に伝えたりしますね。