INTERVIEW&COLUMN

2017.08.05

【役者を目指すあなたへ】俳優・伊藤陽佑を変えた、学んだ作品

伊藤陽佑さんがオススメする映画

『ジョゼと虎と魚たち』
公開:2003年
監督:犬童一心
出演:妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里、新井浩文、他

最も好きな映画を挙げるが、これは映画レビューではない。
好きな映画なんて人それぞれであり、その人生の中で、最も響くタイミングに、最も響く内容を観た=最も好きになった、に過ぎないのかもしれない。
つまり、この映画は僕の青春にとって、クリエーター人生にとって、役者人生にとって、それを写している“鏡”なのだ。
mirroRliarを拡大解釈するとしよう。「別にこの作品に影響受けてませんけど」と、それをも騙す気概と気合を以って挑まなければならない、超えなくてはいけない“鏡”が、僕にとってのジョゼだ。池脇千鶴さんの細やかな意外性、伊賀大介さんの人物を分けるスタイリング、くるり岸田さんの柔らかな音選び、犬童監督の茶目っ気。……おい、これレビューじゃねぇか。

あなたの“鏡”はどんな形をしていますか。

伊藤陽佑さんがオススメする本

『えんとつ町のプペル』
初版:2016年
著:にしのあきひろ

作品が全てネット上にもある絵本。ペンのみで描く作家がイラストレーターや3Dモデラーたちとチームを組み完全分業制で制作。クラウドファンディングを用いて無料展覧会を実施するなど試みの量と野心が果てしない。
肝心の作品だが、筋書きも画も一つ一つが丁寧、且つ莫大な時間もかかっていて、結果、真逆の制作体制であるピクサーの映画を見ているような気持ちになる。
にしの氏は芸人でありクリエーターであるが、これからは肩書きが俳優のみではないハイブリッドな俳優が普通になる。あなたが他者と違う強みとは何か。この本と、この本にまつわるムーブメントを見て、“俳優”以外のフィールドで、あなたの希少価値が見つかるかもしれない。

伊藤陽佑(いとうようすけ)

北海道札幌市出身。
2004年TV『特捜戦隊デカレンジャー』デカグリーン/江成仙一 役でデビュー。 俳優・シンガーソングライター・映像作家・舞台演出家・声優などで活動。 参加作品に舞台『ロックミュージカルBLEACH』(浦原喜助 役) 映画『斜陽』(直治 役) 映画『心霊写真部 劇場版』(牧村部長 役) シンガーとして『One Star』(『デジモンセイバーズ』ED) 声優として『しろくまカフェ』 『思い出のマーニー』 他 近作に、映画『スペース・スクワッド ギャバンvsデカレンジャー』(2017・出演)、舞台『ハッピーハードラック』(2017・演出/音楽)、映画『バス停の動かし方』(2016・脚本/監督)がある。
Twitter:@LITOjp

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