INTERVIEW&COLUMN

2018.01.17

『サラバ静寂』という映画について-吉村界人さん-

「音楽が禁止された世界で、音楽と出会って魅了されてしまった若者たち(劇中では彼らのことを“ノイズ”と呼ぶ)」を描いた、僕の新しい監督・脚本作『サラバ静寂』(出演:吉村界人、SUMIRE、若葉竜也、森本のぶ/ 斎藤工 他)が2018年1月27日(土)より渋谷ユーロスペース他順次全国公開します。

界人との出会いは二年半くらい前に遡る。
友人の役者とご飯を食べていると「友達呼んでいいですか?」と言われ、そこにやってきたのが界人だった。
初めて会った時から「なんでオーディション落ちるか分からないんですよ」「絶対勝ちたい」とイライラしていたのが、すごく印象的で魅力的だった。

次に会ったのは僕の前作『黒い暴動♥』でメイキングをまわしてくれた酒井麻衣ちゃんが監督で、界人が主演の『いいにおいのする映画』を観に行ったときだった。
界人がとても良かったので、それを伝えると彼も『黒い暴動♥』のメイキング映像を少し見たようで、「一緒に何かやりましょうよ」と言ってくれた。

それがこの映画のスタートだった気がする。

独自の感性を持ち、個性的な表現の仕方をする。
それが界人のパブリックイメージだと思うし、その魅力に惹きつけられる人も多いと思うが、彼の本当の魅力はそこではない。

シンプルに俳優としてとても大事な2つの能力にとても優れているのだ。

まず1つ目。
吉村界人は身体性の高い俳優だ。とキネマ旬報に書かれていたが、僕も激しく同意である。
ドニ・ラヴァンのような特異とも言えるほどの身体能力があるわけではないと思うが、相手の芝居をちゃんと感じて、そのリアクションとして全身を使って芝居をすることができる。

『サラバ静寂』を観た人に長まわしを多用していることをよく指摘されるが、それは界人の良さを活かしたかったというのも大きい。
繋がりなんか気にせず、彼の身体性を活かしたかったのである。

2つ目。
界人は感情をドストレートに表現することが出来、それで人の感情を動かすことが出来る稀有な俳優である。
これは彼自身が持って生まれて、今でも尚持ち続けている純粋さや真っ直ぐさによる部分が大きいと思う。

『サラバ静寂』でも界人だからこそ託すことが出来るセリフが多数あった。

そう、彼は俳優としての高い能力を持ったうえで、それを独自の感性でオリジナルにし、個性的な表現の仕方として吐き出すことによって、誰にも真似できない魅力を放った俳優となり得ているのである。

それでも彼は満足しない。
今でもずっと「勝ちたい」とイライラし続けている。

年下ではあるけど僕は界人を尊敬しているしまた一緒に仕事がしたいから、僕ももっと上を目指してイライラしながら足掻き続けていかなくてはならないなと、思う。
そして、また作品を通してガチンコで勝負したい。

ここまで界人、SUMIREちゃん、若葉くん、のぶさん、工さんという素晴らしいキャストについて書かせてもらったが、出演してもらった素晴らしいキャストはもっと沢山いる。
是非、そんな素晴らしいキャストの方々の活躍を観に、劇場にお越しいただけたら嬉しいです。

僕もほぼ毎日劇場にいる予定なので、もしお越しいただけた際は是非声をかけてくださいね。

『サラバ静寂』

出演:吉村界人、SUMIRE、若葉竜也、森本のぶ /斎藤工 他
1月27日(土)~渋谷ユーロスペース他順次全国公開。

https://twitter.com/saraba_seijaku
https://www.instagram.com/saraba.seijaku/

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