大ヒット映画『百円の恋』で知られる武 正晴監督の3年ぶりの最新作で、格闘技界を舞台にした『リングサイド・ストーリー』の完成披露上映会が9月6日（水）、東京・新宿区歌舞伎町の新宿FACEにて開催され、会場は大きな盛り上がりを見せました。

会場には武監督、W主演を務めた佐藤江梨子、瑛太をはじめ、有薗芳記、さらに格闘界から本作に参加しているK-1チャンピオンの武尊、黒潮“イケメン”二郎らを迎え、舞台挨拶が行われました。
また、司会を関根勤が務め、サプライズゲストとして元プロボクサーの亀田興毅＆大毅兄弟、そしてプロレス界のレジェンド・武藤敬司も来場。それぞれの出演経緯や、撮影中の心境などが語られました。

まず、4年ぶりの映画主演を果たした佐藤さんは、本作へのオファーについて「すごく面白そうな企画で、脚本も素晴らしくて、すぐに（出演を）決めました」と明かします。
武監督とは昨年末にある忘年会で顔を合わせる機会があったそう。「最初、『百円の監督です』と紹介されて、いやいや、そんなに安くないでしょ！ って思った（笑）」と思わぬ勘違いを明かし、笑いを誘いました。

そして、瑛太さんはパブリックイメージを大きく裏切るヒモで売れない俳優という“ダメ男”を演じたことについて「演じているときは僕自身はダメ男とは思ってなかったです。大胆で、ピュアで、役作りを怠らない男だと思っていました」と告白。また、俳優の役という点では、自身の若い頃を思い出して演じた部分もあったようで「俳優仲間と居酒屋で、グダグダと俳優論を語ったり、そういう時期が僕にもあったので…」と懐かしそうに語ります。
格闘シーンに関して、瑛太さん自身も空手の経験があり、ジムで一緒に練習をした、現役のK-1王者である武尊さんからも「蹴りがメチャメチャ重くて効きました！」と言わしめるほど。
武尊さんからは「ぜひK-1に！」と格闘界デビューのオファーも飛び出しましたが、瑛太さんは「やめときます（笑）」と照れ笑い。

その武尊さんは、演技初挑戦となりましたが「やったことはなかったけど、興味はあって、格闘技のお話と聞いて『ぜひ！』と…」と出演の経緯を語りました。
この武尊さんの演技を登壇陣は一様に絶賛！
武監督は「他の俳優がヤバいと思うくらい、嫉妬するほど自然な演技」と語り、佐藤さんも「この中で一番、得してると思います」とうなずきます。
瑛太さんは、まさに武監督の言葉通り武尊さんの演技に「嫉妬しました」と告白。
「才能の塊です。なんでもできるんですよ。K-1のチャンピオンで、今回、映画の新人賞も獲ると思う」と格闘界から現れた新星への警戒を口にしました。

武藤敬司率いる団体「WRESTLE-1」所属で、武尊さんと同様に今回、演技初挑戦となった、イケメン二郎さんは「プロレス以外の仕事をしたことがなくて、ギャラはいくらだろう？ とか興味本位でやらせていただき、いろいろ勉強になりました」とニッコリ。
佐藤さんとの共演について「目の前で見て感動しました！ ファン心理で見てしまって、どうしてもプロになりきれず…」と語り、この日も、佐藤さんの隣でデレデレ！

こんな各界から集結した個性派の男たちの戦いを裁くレフェリーを演じた有薗さんは、「WRESTLE-1」のプロのレフェリーの指導を受けたそうで、本物のレフェリーさながらの見事な試合裁きを見せています。
「僕らの世代は子どもの頃、ゴールデンタイムにプロレスを見ていたので」とレフェリー役に感激しきりでした。

ちなみに、この日の会場の新宿FACEは『百円の恋』のボクシングの試合のシーンの撮影が行われた場所であり武監督にとっては特別な場所。
武監督は「不思議な気持ちです。またここに戻ってきたと感動してます」としみじみ。
各界のスターを集めての本作について「プロレスやK-1の人と仕事ができて、映画をやってて本当によかったなと思いました」と感慨を口にしました。

さらに、スペシャルゲストとして亀田兄弟が登場し、佐藤さんと瑛太さんに花束を贈呈。大毅さんは自身の出演シーンについて「見つけられたらすごい！ 瞬きで終わった（笑）」と明かします。

そして、最後にリングに登場したのは、プロレス界のカリスマ・武藤さん。
武藤敬司本人役での出演でしたが、武監督に「次はナヨナヨした役でお願いします！」とリクエストを出し、会場をわかせました。

最後はW主演の佐藤江梨子さんと瑛太さんによる締めの挨拶。
佐藤さんは、「とっても楽しい作品なので、沢山の人に観て欲しいです！」と上映前の観客に笑顔で語り、瑛太さんは、「瞬きしないで見てほしいですが、特に見どころは僕！」と堂々たるアピール！会場は期待を込めた大きな拍手に包まれました。

『リングサイド・ストーリー』は10月14日（土）より新宿武蔵野館、渋谷シネパレスほか全国で公開となります。