INTERVIEW&COLUMN

2017.11.19

リーディングドラマ『シスター』の公演記念インタビューvol.2

2004年にドラマ『WATER BOYS2』でデビュー。
その後、『魔法戦隊マジレンジャー』、『連続テレビ小説 ちりとてちん』などをはじめとして数多くの作品に出演。 現在はTV、映画、舞台と幅広く活躍中の橋本淳さんに演技や俳優業界についてインタビューしました。

———『魔法戦隊マジレンジャー』への出演が決まり、状況が変わって流されていく人も多い中で、どのような心持ちでいたのでしょうか?————

役が決まった時は、僕自身小さい頃から戦隊モノを見ていたことや全国区での放送ということを含め、単純に嬉しかったです。
ただ、撮影も後半になるとその後のことも考え出すので。
その時に「ここからだぞ!」という気持ちは持つようにしていましたね。

——一年間の撮影の中で、東映で戦隊モノの歴史を作ってきた職人さんたちと触れて何か感じましたか?——

ものすごい勉強になりましたし、アクションをはじめとして、今の自分のベースになっているものが多いです。
撮影時は、僕らの代で最後だと思うんですが、16mmフィルムを使っていてオールアフレコでした。
録音部さんがいない中で撮っていて、フィルムで一日120カットくらい撮っていたんですよ。
まず、アフレコだったり、声優さんやジャックさんと触れ合える機会というのはとても貴重な体験になりました。
あと、今とは違いフィルムはNGも焼いてしまうので、撮り直しには別のフィルムを使わなければいけませんでした。
なので、NGを出した瞬間にカメラマンさんたちがものすごい怒るんです。
「これお前いくらするかわかってんのか、今すぐフィルム買ってこい!」と。
これは週に一度は言われていた気がします。
そんなこともあって、いろいろと準備してくださっているスタッフさんの前で僕らは芝居をするので、彼らと同じくらいの勢いと熱量を込めなければいけない。
そうしなければ人に見せるものにはならないなということを勉強させていただきましたし、若手俳優の登竜門と言われる裏の意味がよくわかりましたね。
本当に色々教えていただけた現場です。

※ジャックさん・・・ジャパンアクションエンタープライズ

———役者をやっていて仕事がなかった時期にどのようなことで悩み、どのように解決しましたか?———

仕事がないことでの不安、怖さやテレビをつけると同年代の俳優が出てる時の焦りもありますね。
そういうのは未だに悩みますし、葛藤、イライラとか色々な感情が生まれてきます。
22歳くらいの時に悩んでいる僕に色々な先輩から「チャンスはくるから、きた時のために今きちんと準備しておけ。」や「今は仕事がない分いろいろなことを勉強できるんだから、仕事がないことをありがたいと思え。」などたくさんのアドバイスをいただいたことがきっかけで考え方が変わったんです。

それまでは物事を否定してしまうことが多かったんですね。
そうすると、どうしても焦ってしまって、いい結果にならなかった。
なので、それを肯定するようにしてみたんです。
例えば仕事がない時、焦らずに今は勉強時期なんだと考えるようにしたり、他の俳優についても肯定的に捉えるようにしました。
そうすると、余裕が生まれて気持ちが楽になったり、冷静に物事を分析できるようになりましたね。

———「仕事がないことをありがたいと思え」というのはなかなか自分では気づけないですよね。————

まあ、当事者になると嫌ですけどね(笑)
ただ、そこでサボってる分だけ売れた時に人としての人生の厚みといった「地」がでると思うんです。
やっぱり遅咲きと呼ばれてる俳優さんたちは、舞台での活動の中でしっかりと役に向き合っている。
勝手な解釈ですが、その時間が長かったからこそ今あんなに厚みのある芝居ができるのだろうなと考えています。

となると、そのような俳優さんたちに勝つためには自分の人生観を分厚くしなければいけない。
仕事がないときに、そういう部分のために時間を当てられるというのはありがたいなと思うようにしました。
なので、暇な時間というのは、ほぼないと思います。

まあ、色々なアドバイスをいただいた中で結果これが残っているだけなので、5年後はまた意見が変わっているかもしれません(笑)。
考え方は僕の中で新陳代謝というか変わっていくと思うので、あくまでも今の段階での意見ですね。

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