INTERVIEW&COLUMN

2018.01.28

/// 2拠点民の悩み /// 東京の宿泊先問題

年末、2日間だけ東京へ出張してきました。
次回作の打ち合わせや取材を年内にやっておきたいと思い、プロデューサー陣に仕事納めギリギリでスケジュールを調整してもらったのです。

「せっかく交通費をかけて行くのだから」とあらゆる予定を入れ込んだ結果、分刻みのスケジュールが完成。
別案件のお仕事ランチをし、打ち合わせや取材を数件こなし、金沢で公開されそうもない映画を見て、パクチー追加のカオマンガイを食べ、帰りの新幹線に乗るまでひとり飲みをキメる。
もはや出張というより人間に生まれたことを謳歌する旅となり、非常に充実した2日間を過ごすことができました。
(夫と子供は先に実家に帰っていたので、姑も鬼(私)の居ぬ間にめいっぱい孫を愛でたことでしょう。)

考えてみると、出産してからというもの、新幹線は常に子供と一緒。
赤ん坊のころは泣いたりグズったりするので、乗車時間の7割はデッキで抱っこ。
成長してからも多目的室(授乳に利用できる)で時間をつぶし、iPadを極小音にして遊ばせ、お菓子を与える。そうやってカードを切りながら、目的地に着くまであの手この手で子供を黙らせるのです。
それでも子供というのは声をひそめてしゃべることができない生き物なので、普通に会話をしているだけでPCを広げるサラリーマンから「ここは公共の場所なので静かにしてもらえますか?」と怒られることも。
(公共の場所だからこそ子供を含むいろんな人が居るのだし、公共の場所であってあなたのオフィスではないんだけど…。)
そんな目的地まで耐え忍ぶ苦行でしかなかった乗車時間が「ひとり」というだけで、食べてよし、寝てよし、仕事してよし、音楽聴いてテンション爆上げしてよしのヒーリングタイムになったのです。

「普段は暮らしやすい金沢に住み、仕事のときだけサクっと東京に行く」
それって実は現実的な暮らし方だし、とても素敵っぽく聞こえるのですが、東京オリンピックを控えた今、ひとつ大きな問題が…。

それは、東京での宿泊先。
東京はいま、2020年の東京オリンピックに向けて、どんどんホテルが取れなくなっているのです。
もちろん受験や嵐のコンサートに際し、すでに民泊などの新しい宿泊スタイルも増えています。
ただ、いつも急に東京出張が決まる私が、今後も増えていく観光客との争奪戦に勝てる気がしません。

今回は兄夫婦の家に泊めてもらったのですが、上京する度に泊めてもらうのも気が引ける。
さらに撮影に入ろうもんなら、深夜に帰ってゴソゴソとシャワーを浴び、洗濯しながら寝落ちして、また早朝ゴソゴソと出かけていくサイクルに…。
なんて迷惑な客なのだろう。
これは親しき仲にもなんちゃら事案であり、仲の良い友達であっても泊めてもらうのは難しいでしょう。

やはりここは風来坊のようにやって来ても泊まることができる、第二の自宅が欲しいところ。

ライターやフォトグラファーで、地方に移住しつつ、ちょくちょく東京に出稼ぎに来る知人はみんな、同様の悩みを抱えています。
だって、たまにしか泊まらない部屋に月6、7万かけてキープするのは難しい…。
ならば当然「何人かでシェアする?」という話も出るのですが、もし何かあった場合(火災や盗撮や衛生問題など)のことを考えると、よく知らない人と共有するのは二の足を踏んでしまいます。

…どうしたものか。

現時点で答えは出ませんが、今年は何度も東京に出張しなければならないので、きっと何らかの打開策が見つかるはず。 映画界の若者がそれぞれのライフスタイルで仕事ができるよう、いずれ何らかの妙案を紹介したいと思っています。

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