INTERVIEW&COLUMN

2018.03.14

泣き屋をテーマにした映画『見栄を張る』藤村明世監督、主演の久保陽香さんにインタビュー

「28歳、売れない女優。そろそろ本気出す。」というインパクトあるコピーで、3月24日(土)からユーロスペース渋谷ほかにて公開となる映画『見栄を張る』の藤村明世監督と主演の久保陽香さんにインタビューを実施しました。

ーーまずは監督から。本作の企画はどのような流れではじまり、進んでいきましたか。

藤村:ずっと長編が撮りたかったんです。でも資金の面だったり、東京にめちゃくちゃ仲間が居たかっていうとそうでもなかったので、1人で長編映画を撮れないなって思っていて。
その時にCO2を知り、そこに応募して、プロットが通って、制作に至ったという流れですね。
(※CO2=シアネスト・オーガニゼーション大阪:インディペンデント映画への製作助成などを行っている団体)

ーー本作の題材やアイディアは、もともとずっと監督の中にあったのでしょうか。

藤村:高校生の時に泣き屋というのを知って、その時はあまり具体的に監督になりたいと思ってたわけではないんですけど。
大学に進んで、映画を作るってなった時に、長編をはじめて撮る時は「泣き屋」を題材にしようって思っていて、今回念願叶ってって感じですね。

ーーでは次に久保さんへ。初めて脚本を読んだ印象を教えてください。

久保:素直に心を動かされたっていうか、なんかスッキリした感じでした。本当に20代の女性監督が書いた作品なのかなっていうくらい渋くて。
着目する点やセリフ回しとか、言葉のチョイスも、大先輩が書いたような。こんな若い方が書いた本なんだっていうのも、すごく感銘を受けましたね。

ーー女優役を演じてみて、いかがでしたか。

久保:この撮影当時、仕事でもパッとしなかったり、家族ともちょっとぎくしゃくしてる時期で。
そんな時期に、『見栄を張る』っていう作品と出会えて、この絵梨子って役は今の私だって思いました。入っていけば入っていくほど、どんどん絵梨子になっていったし、絵梨子なのか久保陽香なのかどっちかわからなくなる位、シンクロするところがたくさんありました。

ーー印象的だったのが、絵梨子の「何か言いたげ」な表情の捉え方でした。そこは意識していたのでしょうか。

藤村:最初はそんなに意識はしてなかったんですけど、表情をどんどん抑えていって、最後にあの表情にもっていけたらいいなって撮影入る直前くらいで思うようになりました。
ずっと受け身だけど、少しずつ受け身の中でもどんどん成長して行って、少しずつ変わって行って、最後にあの表情が持っていけたらいいなって思ったので、ずっと久保さん(絵梨子)の表情を撮りたいみたいなのはありましたね。

ーー撮影現場はどんな感じでしたか?エピソードを教えてください。

藤村:和歌山で合宿をしながら撮ったんですけど、和歌山の皆さんが、夜ゴハンを持って来てくれたり、バーベキュー連れてってくれたりとか。ゴハンがすごく美味しかったです(笑)

久保:美味しかったですね。すごく充実してましたよね。

藤村:めちゃくちゃ支えられてましたね。すごくいい環境でした。

ーー本作は海外でも賞を受賞されていますが、海外での上映の様子はいかがでしたか?

藤村:観てる時の反応は日本と違って、めちゃくちゃ笑ってくれるんですよ。
そこで笑うの?ってくらい(笑)「直角マン」なんてもう大爆笑!みたいな(笑)
観終わったあとは、「好きだったよ」って言ってくださる方が結構多くて、「あったかい映画だったね」とか「フランス映画みたいだね」みたいな。色合いとかが。

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「自分の映画に映したい!」みたいな人がたまにいるんですよ。

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