INTERVIEW&COLUMN
2018.04.01
映画「三十路女はロマンチックな夢を見るか?」監督:山岸謙太郎インタビュー
ミラーライアーでコラムを連載中の山岸謙太郎監督の映画『三十路女はロマンチックな夢を見るか?』が3月31日(土)より公開となります。
主演の武田梨奈さん、久保田悠来さんのキャスティングのポイントや、オーディションで気になる部分などについてお聞きしました。
ーー本作はどういった経緯で作られたのでしょうか。
山岸謙太郎(以下、山岸):30歳手前の女性が主人公で、夢をテーマに何か前向きになれるような作品を作りたいとのことで、プロデューサーからお話をいただいたのが始まりです。
5本くらいプロットを書いて、その中から2本が面白いと選ばれて、どうにかその2本のプロットを組み合わせて1本にできませんか?という話で進んでいきました。
ーーテーマも大まかに決まっていたんですね。
山岸:テーマとモチーフの方向性はおおよそ決まっていましたね。テイストも明るい方向でっていうことだったんですけど、僕が最初に書いたプロットが暗かったので、結構明るく直しました(笑)。
そして、内容が30歳手前の女性の話だったので、内側から女性のことを見れる人に入ってもらいたかったこともあり、脚本は『ソウル・フラワー・トレイン(西尾孔志監督)の上原三由樹さんにお願いしました。
僕のプロットをベースに上原さんが脚本を書いてくれて、2人で進めていきました。最終的には僕がその場でお芝居をしながら、途中で止めて、「もうちょっとこうじゃないですか?ああじゃないですか?」ってやり取りしながら脚本を作っていきました。
ーー山岸監督の得意な分野も取り入れつつ(笑)。
山岸:このテーマとモチーフだと、銃とか入らないなって思っていたんですけど、なんとか銀行強盗ということでねじ込みました(笑)。
ーー武田さんも久保田さんも、今まで見たことがないような役どころで、とても魅力的でした。お2人のキャスティングのポイントを教えてください。
山岸:もともと、武田さんとはいつか一緒に仕事をしたいという興味がありました。
今までの出演作品を観た時に、意外とアクションの役ばかりではないんだって思ったんです。
だから今まで武田さんがやったことがない役をぶつけても、この人はたぶん対応出来るし、僕が観てみたいし、観てみたい人がいるんじゃないかなって思って。
そして、武田さんは撮影当時25歳くらいで、三十路にはまだ遠かったんです。
でも、三十路の女優が演じるよりも、これから三十路になる人に考えて演じてもらった方が、作品で見せたい部分がより強調出来るんじゃないかって思って、一緒に考えていくスタイルで作りました。
ーー久保田さんはいかがでしたか?
山岸:久保田くんが演じた役は、キャスティングの段階からイケメンじゃないと困るって話をしていたんですよね。
このセリフが言えたり、こんなことが出来るのって、やっぱりイケメンじゃないと成立しないなって(笑)。
最終的な決め手は、本人に会って思ったんですけど、内面的にすごく3枚目だったんです(笑)。
見た目はバリバリのイケメンだけど、中身が結構やわらかくて面白くて、すごく魅力的でした。この人だったらめちゃくちゃなことをやっても、愛せる気がするというのを感じて、久保田さんにお願いしましたね。
ーー外見と内面の見事なバランスですね(笑)。山岸監督がオーディションをする時、いつもここが気になってしまうという部分はありますか?
山岸:ご縁に繋がらなかった人たちが気になりますね。オーディションの場は、その役に合う人を見付ける場なので、芝居が良いからって採用出来ないんですよね。
ーーその場合、次回作のオーディションにお声掛けしたりするのでしょうか。
山岸:今回も脚本上当てはまる役が無かったんですけど、すごく良い役者さんが居たので、プロフィールは持って帰りましたし、後日Twitterでフォローさせてもらいました(笑)。
今後出演するお芝居や映画があったら教えてもらいたいし、当てはまる役があったら呼びたいですと話をしましたね。
ーーご縁ですね。これからどんな役者さんと出会ってみたいですか?
山岸:すごく抽象的な言い方ですけど、やっぱり魅力のある人ですね。作品どうこうではなく、その人自身が面白いからずっと演技を見てしまうみたいな(笑)。
それって役者さんにしか出せない魅力だと思っていて。正直、テクニックを持ってる役者さんは有り難いし楽なんですけど、魅力というのはそこではなくて、その人自身が持っていて惹き付けられるもの。
小劇場に舞台を観にいって、良いなと思った役者さんには声をかけさせて頂き、名刺を渡す時もあります。
ーーでは最後に。俳優の方々が演技を高めていくには、どうすれば良いと思いますか?
山岸:僕も役者じゃないのでわからないですけど(笑)、1つ言えるとしたら、役者さん自身が自分の良いところも悪いところも理解して、自分のことをどれだけ知っているかというところですかね。
ビジュアルも内面も含めて、自分は傍からどう見られているのか、どういう人間なのかを理解するしか無いんですよね。
あくまでも演じるのは自分なので。全く違う自分や、自分の中に無いものを演じることは絶対出来ないし、自分自身に気付いて、殻を破ることができれば、どんな役にもなれるんじゃないかと思います。
映画「三十路女はロマンチックな夢を見るか?」劇場予告
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