INTERVIEW&COLUMN
2017.08.22
『黒い暴動❤』という映画について「paint it black」
『黒い暴動❤』オーディション
オーディションを開くと様々な役者さんが来てくれた。
その中で決まったのが、馬場ふみかさんと平松可奈子さんである。
他の方々も素晴らしかったのだが、それでもこの2人がずば抜けていたと思う。
オーディションで選ばれた理由
主役、越村美羽(みゅうみゅう)役の馬場さんは、オーディションに対するモチベーションが誰よりも高かった。
こちらの要求を食い入るように聞き、一生懸命考え、修正してきちんと吐き出す。
そして、うまくいかないと誰よりも悔しがっていた。
要求に対する修正力はとてつもなく高かったし、何より彼女の言葉には人の心を動かすものがあった。
アラサーの役も演じなければならないのに当時は20歳、当然若さを懸念する声もあったが、それでも僕はどうしてもみゅうみゅうの心の叫びは馬場さんに託したいと押し切った。
続いて決まったのは前多あおい(あおきち)役の平松さん。
映画の経験がないというのが信じられない程器用でセリフまわしがうまかったし、彼女はどの役を演じても、愛おしい役だと思わせてくれるという変え難い才能があった。
あおきちも誰にも愛されるキャラクターだったので、この役はどうしても平松さんに演じてもらいたかった。
ここまではとても順調だった。
だが、長丸彩香(さっきゃん)役が見つからない…。
オーディションを繰り返す中、プロデューサーと気晴らしに観に行ったのが冨永昌敬監督の『ローリング』だった。
『ローリング』(の作品は勿論のこと)での柳英里紗さん演じるみはりがあまりに良くて、プロデューサーと帰り道によく分からないテンションで盛り上がり、翌日には柳さんにオファーを出させてもらったと思う。
これでメインの3人が決まった。
だが、彼女らは普段からギャルな訳ではない。
出来る限り本物のギャルマインドを入れた映画にするべく、主人公達に影響を与える先輩紗都美(さとみるく先輩)役にギャルのカリスマ、今井華さん、そしてその他のギャルの子たちをblack diamondという現存するガングロギャルチームにお願いすることにした。
当時のblack diamondは全国に250人、下部組織に450人いるという大所帯で、テキサスからblack diamondに入りたくてやってくる子(バービーという子なのだが、実際に映画にも出演している)までいるほどだった。
これでギャルパートは完璧である。
だが、僕の「ギャルはロックンロールだ!」というマインドを説明するために、ギャルに並列として並ぶロック少年たちも必要だった。
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