INTERVIEW&COLUMN

2017.08.22

『黒い暴動❤』という映画について「paint it black」

「カッコ悪いことがカッコ良い」

エンディング曲は忘れらんねえよが書下ろし曲を作ってくれることが決まっていた。
就職するも、やはりバンド活動に戻ってきてしまった彼らの経歴や、そんな経歴があるからこそ描けるエモくて素晴らしい曲がこの映画に必要だと思って、僕が手紙を書いてオファーして、オッケーをもらっていたのだ。

そして、映画では忘れらんねえよのボーカルシバタ役が出てくるのだが、誰に演じてもらおうかと考えたらすぐ出てきたのは間宮祥太朗くんだった。
たまに飲んだりしていたので、彼が「カッコ悪いことがカッコ良い」というマインドを分かっていること、そして音楽が好きで実際にロックバンドを組んでいた経歴があること、何よりも振り切った芝居を堂々としてくれることを知っていた。
シバタ役に照れは絶対あってはならなかったのだ。

そして、みゅうみゅうに影響を与えるカリスマバンドのボーカルには、比類なき危うさと美しさを備え持っている村上虹郎くんにオファーをした。
バンドを組んでいたことがあったわけでもないのに、少しもビビることなく快諾してくれた虹郎は流石である。

若いキャストが多いので、脇を固めるキャストの方々は川瀬陽太さん、山本浩司さん、三浦誠己さん、稲川実代子さんという僕がずっと映画の中で観てきた憧れの方々に恐縮しつつもオファーさせていただいた。

商業映画デビューというご祝儀的な意味合いもあったのかもしれないが、お願いしたかった方々にオファーをして、次々にオッケーしていただけたことは本当に光栄だった。

唯一、キャスティングしたかったのだが、叶わなかったのはblack diamondのいくたろす。
彼女は工業高校出身でフォークリフトやクレーン操縦などガテン系の資格を15個も持っている。

美羽が牛舎に着く前のシーンでショベルカーとすれ違ったり、橋をギャル達が走り去るシーンの最後にギャルが運転するショベルカーが出てきたら面白いなと思っていたのだが、まさかの実際の土方仕事とのスケジュール調整がつかず断念…。
もしまたギャル映画を撮ることがあったら早めにスケジュールを抑えよう…。

こうしてキャストも決まったのだが、ここからが大変だった。
馬場さん、柳さん、平松さんはアラサーと高校時代の2世代を演じ分けるための役作りが必要なだけではなく、(舞台である)石川県の方言練習、そしてパラパラ練習をまでもが必要だった。

大変なのは3人だけではない、勿論、間宮君も方言は必要だし、black diamondもパラパラ練習が必要、更に虹郎もバンドの練習をしなければならない。
ギャルのパラ練では、black diamond内で喧嘩が勃発するわ、ギャルだからか練習時間が18時~翌朝6時というあまりにハードコアなスケジュールだわ…カオスだったなあ。

そうこうバタバタしているうちに、あっという間にクランクインの日を迎えてしまった。
次回は「『黒い暴動❤』という映画について」最終回、地獄の現場についてです。

※キャスティングと同じようにスタッフィングも非常に大事な作業でして、実際にこのスタッフじゃなかったらそもそも撮りきることすら出来なかったと思いますし、撮影地である石川県内灘町の協力も同じようになければ成立しなかったと思っているのですが、「演者向けの読み物」としてこちらは泣く泣く割愛させていただきます。
ただ、本当に皆さんの協力なければ成立しませんでした。
本当に有難う御座いました。

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