INTERVIEW&COLUMN

2017.08.12

【役者を目指すあなたへ】女優・小川あんを変えた、学んだ作品

女優として活躍する小川あんさんに、忘れられない映画、今でも見返す本をご紹介いただきました。

小川あんさんがオススメする映画

『親密さ』
公開:2012年
監督:濱口竜介
出演:平野鈴、佐藤亮、伊藤綾子、田山幹雄 他

人間ってなんだろうって小さい頃から思ってました。顔や体は見えていても一番大事な気持ちは見えないから。だからこそいいことも悪いことも衝突が起きる。
人間ってなんでこんなに複雑なんだろうって。

演技はそんな人間を、0から作り出して自分が演じて生きること、不思議なことだなって思います。
だから、私は時々、役と自分のかけはなれた距離に戸惑い、自分が演じているのは”本当”ではないんじゃないかと不安になってしまう時があります。
でもこの映画はその距離を埋めてくれて、私の気持ちをすくってくれました。何かが生まれることの奇跡と自分が演じることの意味をこの映画を見るたびに思い出します。

小川あんさんがオススメする本

『血は立ったまま眠っている』
著:寺山修司

安保闘争の時代、憤りと葛藤をもった若者たちを描いた処女作だそうです。
私は灰男が夏美を襲った直後初めて言葉を交わすワンシーンをワークショップで演じました。
その部分だけ渡されて一読した後、ものすごいエネルギーを感じたのを覚えています。夏美の第一声が『いいえ、私が自分でしたことなの』セリフ以外の情報は何も無かったけど、これは何か重大なことが起きたんだなということだけはわかりました。一回演じただけで、それからはプロローグの襲われる部分を怒涛の繰り返し。

次第に小さな稽古場に廃墟な倉庫が浮かび上がってきて、声が響いてるように。
テーブルと椅子もドラム缶に見えて。目を覚ました夏美が初めに発した声は体の底からのし上がってきたようでした。
それまでの芝居経験の中でこんなふうに体がざわめいたのは初めてで、肉体を通した言葉は何よりも本当でこれからはできるだけそうしていきたいと思うようになりました。

小川あん(おがわあん)

1998年3月29日 東京都出身。
Twitter:@ogawa0329an
HP:www.tommys.co.jp/profile/ogawa_an.html

主な出演:
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日本生命「夕暮れ時のいつものあの人」
くらしの友「その人は、くらしの友の人でした。」
日本民間放送連盟「違法配信撲滅キャンペーン 女子高」
読売新聞社「2016 五輪 CM 私は、自称次期日本代表」
antenna*「antenna*7 brand movie」
亀田製菓「ハッピーターン クリームdeハッピー」
関東学院大学 「スペシャル学校情報 そこは、」

◎映画
2017年「ポエトリーエンジェル」監督:飯塚俊光
2016年「天国はまだ遠い」メイン 監督:濱口竜介
2016年「うそのせかいのはなし」主演 監督:藤井道人
2016年「窓の外側」主演 監督:柴田啓佑
2017年は公開待機作が3本ある。

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