INTERVIEW&COLUMN

2017.08.25

【役者を目指すあなたへ】俳優・片山享を変えた、学んだ作品

俳優として活躍する片山享さんに、忘れられない映画、今でも見返す本をご紹介いただきました。

片山享さんがオススメする映画

「ミニー&モスコウィッツ」
公開:1971年
監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ シーモア・カッセル 他

 

22歳くらいだったと思います。
俳優の西島秀俊さんにお会いする機会がありました。
西島さんは僕にとって初めてお会いする俳優さんでした。
俳優を志していた僕は、必死に西島さんの話を聞きました。

その中で西島さんから 「今吉祥寺バウスシアターで『ミニー&モスコウィッツ』という映画がやっているから、それを観なさい」
と言われ、早速次の日に観に行きました。
衝撃でした。

「映画と客席が一体化した」んです。
今まさに目の前で、「ミニー」と「モスコウィッツ」の恋愛を見届けている、覗き見ている。
そんな感覚に陥りました。
それはたぶん他のお客さんたちも同様で、みんなで一緒にこの奇怪な恋愛模様を見守っていたんです。
だから、声をあげて笑ってる人がいても気持ちが解るからなのか、うるさいとは全く思わない。
こんな感覚で映画を観たのは初めてでした。

「こんな演技がしたい」
「こんな映画に出たい」
強く思いました。

スクリーンというフィルターを通しても、生であるかのように伝わる演技をする。
今現在も日々鍛錬を積んでいます。

片山享さんがオススメする本

「ベラ・レーヌ・システム」 
著:岡田正子

自分の力でなんとかなる。
そう信じて、俳優になるべく走ってきたつもりでしたが、自分の力などたいしたものではなく、当然の如く行き詰まりました。
そんな時に、所属事務所のマネージャーから薦められたのが「ベラ・レーヌ・システム」です。
この本は、フランスで活躍した演技トレーナーであるベラ・レーヌが生み出した独自の演技システムを、日本人で初めてベラ・レーヌに師事した岡田正子さんがまとめたものです。

五感をフルに使い、想像力を豊かにする「ベラ・レーヌ・システム」は今でも僕の演技の指針となっています。
そしてこの本に書かれていることで何より好きなのが「あとがき」にあります。
「技術は日々鍛錬し、磨いていかなくてはならない。しかし、大事なのは技術ではない。技術プラスアルファだ。それは一人ひとりがいかに真摯に生きられるかってことにかかっている」
今の僕の大命題です。

片山享 (かたやまりょう)

1980年9月14日 福井県出身。
大学卒業後、俳優活動を開始。主に単館系・インディーズ系の映画でキャリアを積む。最近では、映画だけでなく、テレビドラマ、舞台、CMと活動の幅を広げている。出演した映画「22年目の告白」(監督:入江悠)が 上映中で、映画の待機作に「リングサイドストーリー」(監督:武正晴、10月公開)、「レミングスの夏」(監督:五藤利弘、10月公開)、「過ちスクランブル」(監督:川村清人、10月公開)、「名前」(監督:戸田彬弘)などがある。 また、出演した「JT」「ピジョン」のCMが公開中。
Twitter:@katayamaryo

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