INTERVIEW&COLUMN

2017.08.26

食べる、ということ

最近読んだ漫画の中に、こんな台詞があった。
「肌って一ヶ月とかで全部入れ替わるらしい」

その先の記載によると、肌の細胞は約28日、胃腸は約3〜7日、筋肉細胞は約60日、骨は約3年、血液は約120日で入れ替わると言われています。とのこと。

それを読んで、なんだか不思議な気持ちになった。
自分という姿形の入れ物は成長し続けながらも、それを構築する中身はすべて入れ替わっているのだ。自分の皮膚も、筋肉も、骨すらも、3年前と現在とは違うものになっているということ。そうなのか。

じゃあ自分の本体はひたすら違うものと入れ替わり続け、外見という名の着ぐるみと魂だけが生まれたときから残っている私の本体?それとも、本体は変わり続け、それに魂がくっついてるだけ?むむむ。考えれば考えるほど、よくわからなくなってくる。

ただ、そういえば、と思い出す。
ちょうど、私は3ヶ月前に食べ物をテーマにした映画を撮り終えた。
上記のような細胞の入れ替わりの周期なんてよく知らないまま、こんなような台詞を書いていた。
“毎日同じものを食べて同じ空気を吸って生きて、そんなふたりの身体はもう、同じもので出来ているのかもしれない。”

そう。成長した人間の肉体をつくっているものはなんなのかを考えたとき、生まれたときに持っていた母親の胎盤でできた細胞なんてほんのわずかで、その先は、食べたものが血となり、肉となって、人間を成長させている。

そんな当たり前のことを特に考えずに生きている人が、意外と多い気がする。
俳優さんや女優さんですら、たまに、自身の食に興味がないひとがいて驚く。
食生活をきちんとすることは、自分をきちんとつくるということ
それは、高価な化粧水を使うよりも、ずっと効果がある。

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