INTERVIEW&COLUMN
2017.09.05
『黒い暴動❤』という映画について「ルーズに火をつけて」
『黒い暴動❤』は僕の二度目の青春となった。
僕はといえば、何が出来たのだろう…。
とにかく無我夢中で必死に映画を作っていた。としか言いようがない。
「黒い暴動❤」の元ネタであるThe Clashのジョー・ストラマーは言った。
「月に手を伸ばせ。例え届かなくても」
僕はギャルがアラサーになった必死にもがく映画を撮りながら、映画小僧から「映画監督」という自分の憧れた存在に手を伸ばして必死にもがいていた。気づけば僕も30歳を超えていた。
『黒い暴動❤』は僕の二度目の青春となった。
こうして皆の血と涙の結晶となった『黒い暴動❤』は新宿シネマカリテをメイン館として全国各地で8か月もの上映をさせていただいた。
馬場さん、柳さん、平松さんを筆頭にキャストの方々は何度も何度も舞台挨拶に来てくれた。
本当に現場が終わっても、皆にはお世話になってばっかりで頭が上がらない…。
小説化(小学館より発売中!)、ネスレシアターでのスピンオフドラマ(全5話)の配信と展開も広がり、今年の6月にはついにDVDのセル&レンタルが開始したので、もしこのコラムを読んで興味を持っていただけたなら、是非手に取って頂きたい。
このコラムが掲載される頃には撮影から約2年が経過している。
その後の馬場さん、柳さん、平松さん、間宮くん、虹郎などキャストの皆さんの活躍は最早書くまでもないだろう。
僕的にはそりゃあ彼女たちのような素晴らしい役者達が売れないわけがないので当然である。
出演してくれたblack diamond達も変わっていった。
でみちゃんはギャルを引退し幼稚園の先生になり、ぁゆゆんちゃんは子供が出来て地元に帰った。
やはり彼女らは彼女ららしく前に進みながら生きている。
僕はどうだろうか?前に進めてはいるのだろうか?
自分では分からない。今でもしょっちゅう迷ったりはしているけど、それでもきっと前には進めているのだと思う。
劇中のみゅうみゅうが、さっきゃんが、あおきちがそうだったように。
自分の映画の登場人物に笑われないように、僕も必死に映画を作り続けていこうと思う。
多分それはきっと無様で滑稽で情けなくもあるだろう。
だが、だからなんだっていうのだ。
僕は誰に笑われようが「映画監督」という存在に手を伸ばし続ける。
そう、外野なんて空気なんだから…。
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