INTERVIEW&COLUMN
2017.09.23
『スクールアウトサイダー』公開記念 松本花奈監督×雨無麻友子プロデューサー インタビュー
ーー撮影中の苦労についてもお聞きしたいですが、印象に残ってる事はありますか?
雨無P:何がいいだろ、100個くらい挙げられると思います(笑)
松本監督:めっちゃあります(笑)
ーーでは、ハプニングと面白かったエピソードでそれぞれ一番印象に残ってる事で。
松本監督:ハプニングは、(劇中では赤く染めてる)エイジさんの髪の色が途中で変わった事がありました。
1回目の撮影で染めたものが落ちて、2回目の前に染め直したら赤くなりすぎてしまって、黒く戻そうとしたら逆に黒くなりすぎてしまって。
雨無P:ロケ先で美容院を回ったけどはじめの赤を再現することはと言われて、その日1日はスケジュールを組み替えてエイジさんが出演しない箇所の撮影をしました。
その後、宿舎で洗ってもらったのとスプレーの使用で無事に撮影できました。
3回目の撮影前は念入りに確認連絡しましたね(笑)
松本監督:面白かったのは、ダンスシーンの撮影です。
私が高校生の頃ダンス部だったので、「私がダンス指導するしかない!」とやっていくうちにヤバイ感じになってきて(笑)。
そうしたら、YouTuberのマーキュリー政樹(マーキュリー商事)さんが救世主として現れてくれて、一緒に乗り切りました。
雨無P:ダンスレッスンは事前にも何回かしましたよね。
松本監督:そう。一度私がダンスレッスンに寝坊した事もあって、その時は…
雨無P:私が指導役をやりました(笑)
あと、本番中は色々なカットを撮りたいので撮影に5時間くらいかかりました。
みんな疲れていたので私たちで「笑って笑って!」「楽しく!」「ハッピー!」「かっこいー!」と盛り上げていたら、「うぜー」って言われたり(笑)
そんな感じで楽しくやっていました。
ーーダンスのシーンはそんなこだわりがあったのですね。あそこは上映中もお客さんから笑い声が起きていました。
松本監督&雨無P:良かった!
ーーあと、お姫様抱っこのシーンは黄色い悲鳴も上がってましたよ。
松本監督:あそこは、そもそも女の子が倒れていたら男子はどう助けるかわからなくて、雨無さんにみんなの前で倒れもらったら、スルーされて(笑)。
最終的には助けてくれましたけど、それを経てのお姫様だっこです(笑)。
最初は肩に手をまわす形になりましたけど、このまま引きずるのも変なのでそれなら持ち上げた方がいいんじゃないかなと。
いい感じに顔が隠れてミステリアスな雰囲気にもなって良かったです。
ーー監督とアバンティーズのメンバーはほぼ同年代ですが、撮影してみていかがでした?
松本監督:若さゆえの体力や精神力はそれぞれの年代にあると思いますけど、年が近いとマッチングするのでいい意味でも諦めの悪さというか、まだいけるという考え方があったのでそこはすごく良かったです。
ーープロデューサーとしては今後もYouTuberの方と仕事をしてみたいですか?
雨無P:そうですね。
これから公開される『亜人』でもYouTuberのヒカキンさんが出演していたりしますよね。
YouTubeと映画は制作において多くの違いがあるので合う方とそうでない方がいると思いますが、アバンティーズさんは合っていると思います。
今回主演を務めてもらったリーダーのそらちぃさんをはじめとして、個人それぞれも活躍の可能性の拡がりがあると思います。
また別の作品でも是非ご一緒できたら嬉しいです。
今回YouTuberの方は発想が豊かだと思いました。
映画の既存の考えに捕らわれ過ぎないので、掛け合わせたときの面白さがあります。
松本花奈監督が今まで手掛けてきた青春ものとアバンティーズさんのメンバー同士の関係性や日頃の動画の雰囲気がとてもマッチしていたのではないでしょうか。
あとは、日頃家や仕事先などYouTubeで見ているファンの方もしっかり劇場に足を運んでくれるというのも、もちろんあります。
ーー丸の内ピカデリーは僕も舞台挨拶の取材で来る事が多いですが、客さんがああいう10代の若い層で埋まるのはかなり珍しくて新鮮でした。改めて上映後の感想も教えてください。
雨無P:とにかく、改めてしっかり“映画”を作っていかなきゃという思いはありますね。
若い人にももっとシックで難しいような映画だったり、色々な映画を劇場で観てもらいたい気持ちがあるので、そういう意味で新しい客層というか、これを機会に映画体験を改めて大切に思ってもらえるようになったらと思いました。
松本監督:今回劇場で公開できるので、音もいいですし、グレーディングにもこだわりました。
やはり明るい所で観るのと暗い所で観るのとでは違うので。
YouTubeで公開するものはまたYouTube用に合わせて調整していきます。
ーー今後の劇場公開の予定は?
雨無P:今のところまだ予定はありません。
準備も急ピッチで、配給・宣伝もついていないので、上映できて良かったという感じです。
この記事が出ている時にはYouTubeでの配信がもう行われていると思います。
それでも上映してほしいという声があって、アバンティーズさんの意思があるのであれば、何かできたら嬉しいですね。
ーー最後に、アピールをお願いします。
松本監督:すごく楽しいシーンやそうでないシーンもあり色々なアバンティーズさんの表情を知られると思いますので、何度も観て新たな発見をしてもらえたらと思います。
ドラマの中では「A組」と「B組」との対比や、全体のテーマとして将来の夢やこれからどうしようという悩む中高生へ向けたメッセージも込めて作ったので、そこも共感してもらえたら嬉しいです。
(取材・文・写真:中村好伸)
松本花奈(まつもとはな)
1998年生まれ。中学生の頃より映像制作を始める。
監督・脚本・編集を手がけた映画『真夏の夢』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015 フォアキャスト部門に正式出品。 翌年、同映画祭にて『脱脱脱脱17』がオフシアターコンペティション部門にて審査員特別賞・観客賞を受賞。その後、渋谷・ユーロスペースにて劇場公開。(2017年9月2日〜9月15日)
HKT48「キスは待つしかないのでしょうか?」、花澤香菜「ざらざら」、井上苑子「大切な君へ」など多くのMVも手がける。現在、新作映画『過ぎて行け、延滞10代』を準備中。
雨無麻友子(あまなし まゆこ)
1994年生まれ。東京都出身。青山学院大学卒、株式会社LDS映像事業部へ入社。
在学中に多くの映画祭(日本学生映画祭,東京学生映画祭,夜空と交差する森の映画祭)やプロデューサーとして『今日も今日とて』(かつりか監督)『トウメイの壁』小野寺亮監督『落ちてきた湖』(鯨岡弘識監督)MV「A GIRL BY SEASIDE」(松本花奈監督)『過ぎて行け、延滞10代』(松本花奈監督)などに関わる。
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