INTERVIEW&COLUMN

2017.08.07

『黒い暴動❤』という映画について「Gal is Atitude,not style.」

調べれば調べるほどガングロギャルはカッコ良かった

それから、木夏にも取材をしつつ、ギャル雑誌『egg』のアーカイブを読むために、国会図書館に通いまくった。
コピーをしてもらうためには付箋を貼って受付に提出しなければならないのだが、国会図書館で一心不乱にギャルのスナップや発言に付箋を貼りまくっている姿は変態以外の何者でもなかったと思う。

それでも、調べれば調べるほどガングロギャルはカッコ良かった。

何かに反抗するように誰よりも黒く焼き、かぶれるほどに目の周りをポスカで白く塗り、小銭が掴めないほどに爪を長く伸ばし、厚底に至っては高さを求めるあまりに階段から落ちて死者すら出る。

「何のためにそんなことを?」

いくら雑誌に問いかけても帰ってこない。
いてもたってもいられなくなった僕は、ガングロカフェへ駆け込み、彼女達に聞いたが、彼女たちはそんな疑問を抱くこと自体が不思議なようで

「え?好きだから。外野なんて空気でしょ。明日死ぬかもしれないんだから好きなように生きたいよ」
と返してきた。

そのときに確信した。
「ギャルとは、あの時代、世界中で日本だけに発生したロックンロールなのだ!」と。
そして、次に浮かんだ言葉はジョー・ストラマーの「Punk is Atitude,not style.」だった。
この時点でタイトルがThe Clashの『白い暴動』をパロった『黒い暴動』にしようと決まった。
バカにしたければ、バカにすればいい。外野なんて、空気だ。

僕がそう盛り上がる一方で
「何で今更ガングロなの!?」
「ガングロギャルに共感なんて出来ないよ」
「ガングロメイクしたい役者なんてどこにいるの?」
なかなか賛同者は現れなかった…。

続く。

※ちなみに実際になぜギャルが黒く焼き始めたというと、「細く見えるから」で、なぜ目の周りを白く塗り始めたというと、「彫りが深く見えるから」、厚底ブーツを履くのは「脚が長く見えるから」という理由がきっかけなのです。ところが彼女たちはそんな最初の理由なんて無意味化し、「可愛いから」という理由で周りの評判を度外視して、とにかく焼き、白く塗り、高い厚底を履いていきました。
それはさながらパンクスのモヒカンやリーゼントのように。

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